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第47回写真コンクール入賞作品

公開日 2014年10月30日

更新日 2022年01月19日

【推薦】『 胸一杯 』 渡辺 邦昭画像

【推薦】『 胸一杯 』 渡辺 邦昭

 女踊り一団の"胸一杯"のシーン。阿波踊りとしてはちょっと変わったポーズかもしれませんが、低いカメラアングルで対象に迫り、グッドシャッタータイミングで華やかさ、楽しさの描写につなげています。やや狭いフレミングによる撮影であり、観衆があまり入っていませんが、相対的に踊り部分の強さに通じます。その中でも程よい奥行き感が出ています。的確な観察と撮影行動がマッチした結果です。

【特選】『 跳べ「おどりっこ」』 横山 宣明画像

【特選】『 跳べ「おどりっこ」』 横山 宣明

 男性踊り手のジャンプを見事にキヤッチ、迫力十分の内容になっています。その部分は言うまでもなく主役であり、傍らで笑顔を見せる女性踊り手が脇役、周囲に多少の観衆も加わり、三者のマッチングによって阿波踊りの面白さがそこにあります。背景にある街の燈火のブレも画面全体の動 態描写に一役買っています。

【特選】『 りずむ連の華衆 』 野村 明雄画像

【特選】『 りずむ連の華衆 』 野村 明雄

 撮影行動にはアングル、カメラ位置、フレミング…等々あります。カメラアングルは描写に大きく影響しますが制約があります。高い方~身長以上は脚立が欲しい、一方低い方は地上に寝そべるか?でも機材の助けを借りて達成できます。ではその効果はというと、背景の整理があり、阿波踊りの躍動感を強調することができます。この作品では広い焦点距離の描写と併せて華やかさが演出されています。

【三鷹阿波踊り振興会長賞】『 光 道 』 横田 理恵子画像

【三鷹阿波踊り振興会長賞】『 光 道 』 横田 理恵子

 そこには阿波踊りの光の道が走っています。俯瞰のカメラアングルによる撮影は、その場の様子が一覧できるので説明的になる面があります。
 この作品は単なる説明ではなく、阿波踊りの連の動きを巧妙に取り込んであります。奥側に進む連、こちらに向かう連があり、画面からは細かい動きは分かりませんが、そこから発する熱気が感じられます。

【三鷹商工会長賞】『 さあ行くよ 』 北野 敏彦画像

【三鷹商工会長賞】『 さあ行くよ 』 北野 敏彦

  "さあ行くよ"、リーダーの男性が声をかけました。子供連の可愛い姿が 続きます。後ろからの女踊りの連はそれをサポートする母親のよう。踊りに馴れていない子供連であるので特に迫力と言ったものを目指す描写ではなく、その場の和やかな雰囲気を狙ったものでしょう。先頭を行く女の子のにこやかな笑顔が一つのポイントなっています。

【みたか都市観光協会賞】『 楽しい夜 』 佐藤 勝人画像

【みたか都市観光協会賞】『 楽しい夜 』 佐藤 勝人

 阿波踊りとしてはちょっと異色の画面構成をとっています。前景的に建物の一部を取り入れて、いわゆる額縁効果を使っています。それにより女踊り手の存在が強調されるという部分、更に低いカメラアングルで夕空に浮かび上がらせるというムード部分、二つの効果によって、楽しい夜、ちょっと艶めかしいような夏の夜がそこに現出しています。

【入選】『 マスゲーム 』 中山 嘉明画像

【入選】『 マスゲーム 』 中山 嘉明

 踊りにぐっと迫ってのキャッチ。どちらかと言うとオーソドックスな撮り方と言えますが、この作品の特長は、連の奥の方まで深く取り入れた点にあります。そこから画題の"マスゲーム"が出てきたのでしょう。画面構成のポイントは、先頭中央の女踊り手の良い笑顔を含めた華やかなパフォーマンスにあります。

【入選】『 狂 演 』 浜村 亥智夫画像

【入選】『 狂 演 』 浜村 亥智夫

 阿波踊りも時間経過とともに段々と盛り上がってきます。体の動きにも表情にもそれが出てくるでしょう。そこから良い作品を引き出すには、実際の場とは別に写真ならではの構成が必要です。一つは主役の設定で、もう一つはどのような切り取りを行うかです。この作品では逆三角形の狭いフレミングを行い、中央主役踊り手の激しい表情をキャッチしました。

【入選】『やったあーやったあ!』 池口 保画像

【入選】『やったあーやったあ!』 池口 保

 三鷹阿波踊りが流れるように進んでいきます。逆三角形のフレミング頂点にある主役踊り手の動きに対し躍動感と、艶めかしい掛け声が聞こえるような表情をキャッチ。正にグッドシャッタータイミングです。連の動きに向かって、やや斜めから撮ったことにより動きと言ったものが感じられます。

〈総 評〉

 多くの応募作品の中から9点の入賞作品が選ばれました。激戦を抜け出した作品は女踊りを華麗に、踊りのスケール感を、また楽しい雰囲気を見事に表現しており、三鷹阿波踊りの臨場感を作品上で改めて見ることが出来るようになっています。
ここでちょっと作品を作るプロセスを見てみましょう。踊りの場は、踊る人、見る人、撮る人、世話をする人などで構成され、それぞれの立場で活動します。撮る人は迫力があり華麗なシーンをカメラに収める努力をしますが、一方では他との関係を考慮する必要があるでしょう。
 

審査・講評 写真家 伊奈喜久雄氏